介護は「日常のケア」をムラなくすることが基本です 【何気ない毎日を維持することこそ何気なく大事】
介護は「日常のケア」をムラなくすることが基本です
介護は人の生活の場に密着しています。
今回は「何気ない日常こそ何気なく大事」という話。
人の欲求には段階がある
介護の分野では耳にタコができるほどよく聞く言葉、そうそれが「マズローの5段階欲求」というものです。
マズローの欲求5段階説を図付きで解説!各段階に合わせたサービスも紹介|ferret
こちらのサイトにも解説されています。
噛み砕いて説明するとこの図のピラミッドの下層の欲求が満たされないとその上層の欲求は満たせない、なのでより下層の欲求を段階的に満たしていく必要があるという説です。
施設での生活は「生理的欲求」は満たされているものと考える
これを施設での生活に当てはめて考えてみると、まず施設での生活には「生理的欲求」を満たせることが不可欠です。
食事や排泄、入浴などの設備が整っていないと施設として開業できません。
なのでこの段階はクリアできているものと考えます。
問題は「安全欲求」の部分
そして今回の主題となるのが「安全欲求」の部分です。
ふだん生活していると見の危険を感じる場面って少ないと思います。
でも夜中にひとりで人気のないところを歩くのははばかられる気がします。
これは「安全を求める」という人の性質があるからです。
なので人間は「日常の危険をなくしたい」と思っている生き物です。
若いうちや社会人として自立している人はふだんこの欲求を満たせているので特別なにか感じることはないでしょう。
しかし高齢になり施設での生活となると、それ自体が不安になります。
まず一日の生活を自力で送ることへの不安があります。
思い通りに過ごせないストレスに加えて集団生活というストレス。
そこに職員との齟齬があるともう生活自体に嫌気がさしてしまいます。
自力で自分の生活をつくれない、このことが心の平穏を脅かしてしまいます。
だからこそ「いつでも力になる」「どんなときも助けてくれる」という感覚はとても大事になってきます。
介護士はこの「安全欲求をしっかり満たせること」が大事だといえます。
介護の基本は「日常のケア」をムラなくすることが基本です
ここで主題に話が戻るわけですが、日々の心の平穏を守るための関係づくりはつまり日常のケアでつくられるわけです。
ここにムラがあると例えば「機嫌が悪いと話を聞いてくれない」とか「買い物に連れて行ってほしい話をすると嫌な顔をされる」となってどうしても日常に不満ができてしまいます。
もちろんすべての要望を100パーセント叶えるのは難しいかもしれませんがムラなく日常を作ってあげることがとても大事だと思います。
いろんなレクや外出、イベントはこの「何気なく過ごせる日常」があってこそ楽しめる
施設ではいろんな企画を立てて楽しんでもらうことを推進しています。
もちろん日常に彩りや変化や楽しみをつくる意味でとても大事です。
ただ企画をすること自体に意味を見出そうとしてそのための日常つくりがおろそかになってはいけないと言いたいわけです。
もちろん日常をムラなくすることに意識がいきすぎて企画を減らすまではしなくてもいいと思いますが日常の大切さをもう一度考えてもいいんじゃないかなーと思います。
安心して過ごせる毎日をつくる。