未来の新しい介護サービスのかたち 【利用者の方とともにつくれる仕事】
未来の新しい介護サービス
未来のテクノロジーが導入されるとどんな新しいことが実現されていくのでしょうか?
こんな社会になればいいなという希望的観測も含め考察してみます。
利用者の方とともにつくれる仕事
私は特養に勤めているのですが、認知症はあるものの手作業や集中しておこなう作業は問題なくできる方が何名かいらっしゃいます。
「この方たちの能力も仕事として活かせるのでは?」とたびたび思うことがあります。
施設の中でも利用者の方向けに仕事をつくって生まれた利益を本人に渡せる仕組みを作ることができればけっこう良いと思うのですがどうですかね?
たとえば「文字起こし」の仕事とか「特殊な体験のレビュー」とか「絵画展」とか。
もうすでに実施されているものもあるかもしれませんが、施設の中でサイクルする仕組みはまだないように思います。
もしAIテクノロジーが発達すればより仕事を細分化して分担していけるので実現可能だと思っています。
新しい施設の形態
テクノロジーが発達すると施設の形態も新しいものができると思います。
たとえば「24時間オープンのデイサービス」とかでてくるんじゃないですかね。
日中はデイサービスとしてレクリエーションの場所であり、その他の時間はテクノロジーの監視体制をつくってドリンクを販売したり本を読めるようにして休憩所や図書館みたいな感じの場所をつくってもいいんじゃないかと思います。
コンセプトとしては「簡易的なみんなの別荘」って感じで。
あとは「高齢者向けに特化したコンビニ」とかどうですか?
高齢者の日用品を販売したり、車いすでも移動しやすい内装にしたり、先に決算システムを済ませておいて店内では商品を選ぶだけとか家や施設に送るだけとか介護施設の紹介所も兼ねるとか。
余談 介護ロボットの現場への導入について
余談ですが人の言葉を理解して操作できる介護ロボットが試作されています。
あとパワースーツや会話できるロボはもう販売もされています。
私の感想としてはなんだか新しい風が吹いているような、時代の変わることを少し憂うような複雑な気持ちです。
現場も新しい産業の導入には慎重な姿勢をとっているようで、実際にロボットを導入しているところはまだまだ少ないです。
介護士とロボットの比較について、「介護は人と人が心を通わせておこなうからこそ意味がある。だからロボットがとってかわることはできない。」という意見と「テクノロジーの刷新には逆らえない。いずれロボットと人間の境界はなくなる日常が出来上がっている。」という意見。
まあ私はなんとなく人とロボットが共存して介護するような環境になるんじゃないかなーとか思ってます。
ただ、「介護は人と人が心を通わせておこなうからこそ意味がある。だからロボットがとってかわることはできない。」という意見には少し疑念があります。
なぜなら「人は日常的に触れるものに愛着を持つ性質がある」からです。
たとえば人形だって抱き枕だって人によっては愛着を持っている人もいます。
それに介護する側面でいえばたぶんロボットもかなり優れていると思います。
なぜなら感情の起伏がないからこそ介護の質も一定で信頼できるからです。
人同士で心を通わせることはもちろん大事ですが、嫌な顔せずすぐに対応してくれるロボットの存在はかなり信頼も大きくなるはずです。
いくら面倒なことを言っても嫌味なく対応してくれて、毎日顔を合わせて自分を助けてくれるロボットに愛着がわかないと言い切れるでしょうか?
人のほうが心は通うのでやはり人に介護してほしいと思う利用者さんは大多数のままでしょうか?
「このロボちゃんはまるで私と心が通ってるみたい」と利用者さんが言っているのは想像に難くないような気がします。
だからこそ「介護はどこまでいっても人の仕事」だと高をくくって介護するのでなく、「ロボットが導入されても自分にしかできない介護をする」と腹をくくって(そこまで意気込まなくてもいい)介護しましょうって話でした。