介護における仕事の取り組み方を考えよう【若い時のやり方を続けるのは非効率になりがち】
介護における仕事の取り組み方
私は介護を24歳から始めて5年目なんですが、「仕事の取り組み方」について考える機会が明らかに増えてきました。
今回は「仕事の取り組み方」について私の実体験をもとに考察。
一番変わってきたのは「体力の変化」
もうこれは例外なくみんなが通る道だと思います。
実際に私の周りでも「連勤がツライ」とか「夜勤でがんばれなくなってきた」とかっていう声をよく聞きます。
私自身はとくに昔から体力に自信あったほうなので1、2年目なんかはもうほんとに体力にものをいわせた仕事の取り組み方をしてました。
「仕事の質は優れていないけど、量だけは圧倒的にこなして自分のステータスにする」って思って仕事に取り組んでました。
ただ、まわりの声を聞いたりふと自分でも「あれ、疲れやすくなったかな?」とか思ったときに気づいたんです。
「体力にものをいわせる今のやり方は続かない」と。
恥ずかしながらまわりにはそのことを自分に忠告というかアドバイスしてくれる方が何名かいてくれたのですが、当時の自分としては口では「そうですね」とかわかったような顔しながら「いや、体力には自信あるし。ようは自分に負けなければいい話でしょ。」とかって生意気に心で思ってました。
それから徐々に考えが変わってきて、「体力的に無理せずに仕事をしていく」取り組み方を重点的に考えるようになりました。
考え方が変わってよかったと思うこと
考え方が変わってよかったと思うことは何点かあって、一つ目は「取り組み方を改善していくほうが長期的に優れたスキルになる」と気づけたことですね。
理由は簡単で「後年になってもパフォーマンスが落ちない」からです。
若い時は体力で仕事できるので最初のころのパフォーマンスは高いです。
やればやるだけ仕事をこなせるし、次の日も疲れを残すことなくほぼ同じパフォーマンスを積み重ねることができます。
でも体力が落ちるとパフォーマンスもガクッと落ちてしまいます。
どれだけ体力が維持できるかは人それぞれ違うと思いますが、落ちていくことはまず間違いない。
一方で取り組み方を考えたやり方だと一日のパフォーマンスはそんなに大きくないかもしれませんが、後年になっても落ちることなくパフォーマンスを積み上げ続けることができます。
そしておそらくどこかでこの2つの積み上げた仕事量は逆転します。
なので長期的に考えると「取り組み方を考えて無理なくパフォーマンスを積み重ねる」ほうが有益だと思います。
二つ目は「先輩の仕事の取り組み方をよく見れるようになった」ことです。
たまーに年上の先輩スタッフでも体力バリバリに仕事している人いるんですが、基本的にはみなさん仕事の取り組み方を工夫してます。
ひとりひとりの仕事の割り振りとか、役割分担とか、日程を調整して体力的な落差をつけないシフトにしたりとか。
いままで何気なく見ていた先輩の仕事のやり方を「ああ、こんな工夫があったのか」と気づけるようになりました。
そして単純に「人の仕事の取り組み方を分析する」クセがついたので自分なりに応用できたりと視野もノウハウもめっちゃ広がったように実感してます。
これは体力で仕事していてはなかなか気づけないことでした。
じゃあ具体的に「仕事の取り組み方」はどう変わったのか?
これはもう超シンプルです。
「人に頼るようになった」です。
上司や先輩をみているとわかりますが、他のスタッフとの協力や連携がとてもうまいです。
頼む側も頼まれる側もちょうど苦にならないことを嫌に聞こえない頼み方で協力してもらうって感じです。
このことに気づいてからは「ひとりでできることは限界があるし非効率なんだな」と思い、私も積極的に協力してもらうようにしてます。
すると不思議なのが「人に頼みごとをすると人からより頼ってもらえる」ようになったことです。
「ひとりでいろんなことをたくさんできるスタッフ」という固定観念を捨てると不思議と「ひとりじゃなくいろんなことをたくさんできるスタッフ」として信頼度がアップしました。
むしろ介護ってノルマ制の仕事じゃないし、協力するのが主な仕事ともいえるはずです。
最近やっとそう思えるようになってきました。
役割分担も強く意識している
介護って「利用者のできるところは自分でしてもらいながら、できないところを手伝う」仕事です。
これって私たちスタッフの仕事にも当てはまると思うようになりました。
つまり「役割分担」です。
スタッフによって得意なことや能力、適性はさまざまです。
企画が得意なスタッフ、チームの潤滑油になるスタッフ、日々のケアをしっかりできるスタッフ、他部署に意見がしやすいスタッフなど。
それぞれができることをしながら、できないことをできる人が手伝ってあげる。
こうすることで仕事の質や生産性は最高のものになるってことです。
なぜならみんなが得意なことを掛け合わせているから。
まあ実際は誰もやりたくない仕事とか誰も得意な人がいない仕事とかどうしても出てきちゃうのでカンペキとはいかないですが、理論上はそこを目指してみんなで仕事しましょっ!って意識してます。
仕事の価値観も変わってきた
「みんなが得意なことを活かす」ことを意識してから私の中で人の仕事の価値観が大きく変わりました。
それこそ1、2年目のころは生意気にも「自分と比較して人がどれだけ仕事量をこなしているか」だけをみてたとえ先輩だろうと「ああもうこの人には勝っている」とかほんとうに狭い視野でものごとをとらえていました。
今は「この人の得意なこと、上手なことは何か」にフォーカスするようにしています。
すると必ずだれでも「得意なこと、上手なこと」はあるということに気づきます。
すると「この人はここがすごい」となって相手を尊敬する気持ちが出てきます。
するとなぜだか関係も良くなりました。
苦手な人を尊敬するのははばかられるかもしれませんが、結局は自分のためになると思えば多少は苦手意識も薄れる(はず?)です。
そもそも苦手な人や好きになれない人はいたとしても、その人を尊敬したり好きになるのはあくまで「自分の行動」です。
要は「相手など関係なく、人を尊敬できるかどうか」の問題ともいえます。
あと「好きになれない人」をほめたり認めたくないとしても「好きになれない人がしたこと」に対してはほめたり認めたりできるんじゃないでしょうか。
「人」でなく「行動」にフォーカスするという考え方もあっていいと思います。
まとめ
いろいろ長くなりましたが私もまだまだ知らないことだらけですし、仕事もまだまだできることだらけです。
みなさんもぜひ一度「仕事の取り組み方」について考察してみてください。
それはきっと5年後10年後の自分を助けてくれます。