介護のコミュニケーションについて 認知症の方とのコミュニケーションってどうすればいいの?
認知症の方とのコミュニケーションってどうすればいいの?
では、先に結論を言いましょう。
次の3点に注意してみてください。
- 否定しない
- 怒らない
- コントロールしようとしない
解説は下に記載します。
認知症の方とのコミュニケーション
認知症の方とのコミュニケーションはふだん自分が他人ととっているコミュニケーションと少し事情が違うかもしれません。
- 言ったことをすぐに忘れてしまう。
- 誹謗中傷、ときには暴言を受けたと認識されてしまう。
- こちらの意思がまったく伝わらない
などなど。
現場でも認知症の方とのコミュニケーションには手を焼いているというスタッフの声もきかれます。
ではなぜ不快感を覚えたりするのか、それは「相手に期待しているから」です。
「私がこう言ったということはあなたにこう思ってほしい」という自分の感覚を押し付けようとするために理想と現実のギャップが生まれて不快感やストレスになるというわけです。
じゃあどう対処するか。
答えは「相手に期待しない」ということです。
冷たく聞こえるかもしれませんが、要は「思った通りに受け取ってもらえたらラッキー」ぐらいに心構えをしていましょうということです。
期待するのは悪いことではありませんが、そのことで自分にストレスが生まれていては意味がありません。
自分の行動は自分が犠牲にならないように自分で決めて行動していきましょう。
冒頭であげた対策の解説
1について
とにかく「否定しないこと」です。
相手が正しいかこちらが正しいかはべつにどっちでもいいんです。
否定しないこと=相手の話を聞くことです。
かなり効果的だと思います。
そわそわしている利用者さんもけっこう落ち着いてくれます。
2について
むきになって言い返したり注意したりしても相手が納得して落ち着くことなんてまずありません。
どのみちうまくいかないならば言い争う必要はありません。
こちらがまず落ち着きましょう。
でも、べつにこちらが悪くもないのに謝るまでしなくてもいいです。
むかっときたら心の平穏をイメージして深呼吸してください。
心に余裕あるほうが絶対に得です。
3について
「こうしなければならない」「この人を落ち着かせなければならない」と思ってつい落ち着かせようとかじっとさせようとしてしまいがちですが、もともと人の行動なんてコントロールできません。
また、コントロールされるほうもいい気はしません。
行動を誘導することはしても、完全に統率しようとは思わないようにしましょう。
それだけでかなり自分の心に余裕ができます。
「あー、無理だったか」「あー、今日は落ち着けない日なんだな」と逆に開き直りましょう。
まとめ
気づいた方もいらっしゃるかと思いますが、上記の方法は認知症の方に対してではなく人全般に対しておこなえるコミュニケーションです。
家族や友人にも自分の意地を張ってしまうことってあると思います。
いったん相手を否定せず聞いてあげましょう。
嫌なことにも怒らず笑って受け流しましょう。
相手の行動をコントロールしようとせず、聞いてくれないときはあきらめて開き直りましょう。
これって身近な人ほど難しいと思いませんか?
ちょっとしたことで譲れなくて悪循環になっていませんか?
それって自分が結局損すると思います。
だからこそいったん相手を受け入れてみるのもひとつのコミュニケーションだと思います。
コミュニケーションに限らず介護の現場には学びがいっぱい!