老後2000万円不足問題について② 【前回の続き】
老後2000万円不足問題について②
前回の続きで必要とされる費用を考察してみます。
その③:老後も自立した生活の想定になっている
そして何よりこの部分がワタシ的に問題ある前提ですね。
「ずっと健康で自立した生活を送っている」ことです。
なぜこれが問題だと言えるのかというと「特養に入居する方は80代でも珍しくないから」です。
まさに現場ならではの知識感覚ですね。
もちろん定年後もずっと健康で自立した生活が送れるに越したことはないのですが、人は歳ゆくにつれどうしても心身ともに健康を損ねやすくなります。
一回の骨折で認知症のきっかけになることもおおいにあります。
それほど老後の健康は不安定なものだったりします。
なのでこの想定には「介護施設での生活費」も考えておくべきだと思います。
現場で働く人間としての提言ですね。
介護施設に入居すると月々の費用はどうなるのか?
介護施設の居室のタイプにもよりますがおおよそ10〜14万円が相場です。
ちなみに介護の負担限度額は収入によって決まっているので青天井に負担額が増えるわけではありません。
そしてこの負担額は国民年金と厚生年金の平均受給額のちょうど半額程度です。
介護施設に入所後の必要費を用意するには
まず前提として「介護施設に入る対策の保険」に加入するかどうかです。(いわゆる民間の介護保険制度)
まずどうしても老後の資金面での不安を払拭したい方は加入しておいていいと思います。
およそ7000円で月々支払いのものもあるようです。
ただ、国が敷いている介護保険がかなり網羅的になっていて(というより介護施設に入所して発生する費用をみている)、収入がない場合は1割負担です。
月々35万の1割であれば35000円です。
これを貯金から(あるいは年金から)差し引いていきます。
収入を維持することは困難になりますが、自分で出費を調整できないという意味では介護施設での生活費はあまり心配しなくていいといえるかもしれません。
なぜなら「国や家族が生活できる範囲での費用をコントロールする」からです。
人にもよりますが。
結論 2000万は言い過ぎではないか
そして私の結論は「2000万は言い過ぎ」だと思います。
もちろん余裕を持っておくに越したことはありませんが、過度に不安に煽られることもないと思います。
それならば自分や家族や子どもたちにお金をかけて投資してあげるほうが自分としても納得のいく貯金の使い方になるのではないかと思います。
まあ自分が高齢になっていなのでなんともわかりませんが。
話がそれましたが、みなさんも老後に必要な資金と使い方を概算して本当に大金が不足するのかを見直してもいいと思います。